ISO16128の規格による自然由来指数とは
「自然派」「ナチュラル」「無添加」など・・・イメージ的な表現
自然派化粧品を表現するにあたって、「自然派」「ナチュラル」「無添加」「オーガニック」などの形容詞がいくつもあります。
しかし、これらの表現には適切な基準がないことも多く、生活者が適切に判断することが難しい、という問題点が指摘されています。
世界のオーガニック認証団体の基準(主張)
世界には、いくつもの化粧品のオーガニック認証を発行する団体というのがあります。
それらのオーガニック認証団体の認証マークを取得することで、ある一定の基準を示すこともできます。
それぞれのオーガニック認証団体は、それぞれの基準(主張)を持ちます。
それらの基準(主張)に合った製品をつくることで、認証マークを取得することができます。
それぞれ細かい基準があると思われますが、その詳しい内容を生活者が理解していないことも多く、そのマークを取得していることを判断基準のひとつとして見ています。
日本の化粧品団体の基準(主張)
日本においても、独自の基準で化粧品を判断する団体がいくつか存在します。
それぞれの団体の基準(主張)があり、独自の認証マークを付与しています。
これも同じくそのマークを取得していることが、生活者の判断基準のひとつになります。
ただ、中身を正確に把握していない可能性もあります。
国際標準化機構 ISO
さて、ISOというスイスのジュネーブに本部を置く国際標準化機構があります。
日本を含む世界 163 ヵ国(2017 年時点)が参加しています。
ISO の主な活動は国際的に通用する規格を策定することです。
ISOが制定した規格をISO規格といいます。
ISO規格は、国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準です。
ISOの名のついた規格を目にすること、多いと思います。
化粧品の規格 ISO 16128 制定
このISOが、ISO 16128という、
「化粧品 — 天然および有機化粧品成分の技術的定義および基準に関するガイドライン」
を制定しました。
化粧品の自然及びオーガニックに係る基準の検討は、2010 年から始まり、2016 年 2 月には ISO 16128 Part 1「原料の定義」、2017 年 9 月には Part 2「原料及び製品の基準」が ISO 規格として発行されました。
化粧品の自然・オーガニック指数を計算できる
これは、オーガニック認証団体のような基準(主張)ではなく、化粧品の自然・オーガニック指数を計算するための規格です。
このISO16128という規格に従って計算をすることで、その化粧品がどの程度の自然、オーガニックの指数を持っているかが、国際的な基準として表記することができます。
今までは、メーカー側の任意の判断で「自然派」「ナチュラル」「無添加」のような表記をしていたのが、国際統一規格を基に正確に表記ができるようになるのです。
自然由来指数・・・国際的に統一された規格
それぞれの認証団体の基準(主張)ではなく、国際的に統一された規格ですから、生活者は正確で公平な判断ができるようになります。
この規格を元に化粧品の指数として表記することができるもののひとつに「自然由来指数」があります。
この「自然由来指数」というものが表記されることによって、国際規格に基づいて、それぞれの化粧品がどの程度の自然由来原料を使用しているかが正確に判断できることとなります。