洗顔石鹸アレイ:脂肪酸組成からアレイのことを考えてみました。
洗顔石鹸 alley アレイ
洗顔石鹸 alley アレイは、原料は、マカデミナッツ油、水、水酸化カリウムの3つだけのカリ石鹸。コールドプロセス。チューブタイプ。油脂化学の専門家が開発。
マカデミアナッツ油とは
アレイは、マカデミアナッツ油、水、水酸化カリウムの3種類の原料しか使われていません。
この原料を理解することで、アレイのことが見えてきます。
まずは、キー原料であるマカデミアナッツ油。
マカデミアナッツ油は、「バニシングオイル」つまり「消えるオイル」と呼ばれるくらい、肌馴染みの良いオイルとされます。
肌馴染みが良いというのは、「皮脂の成分に近い」という理由なのではないかと想像します。
べたつきが少なく、「のび」も良く、肌に馴染みます。
とても良い使用感です。
肌にも髪にも使用可能です。
酸化安定性にも優れている。
エモリエント効果も高く、水分の蒸発を防ぎます。
こんなマカデミアナッツ油を石鹸にしたらどうなるのか、見てみましょう。
マカデミアナッツ油の脂肪酸組成
まずは、マカデミアナッツ油の脂肪酸組成から見てみます。
下に書いた組成は、アレイの原料に使われているマカデミアナッツ油の脂肪酸組成です。
マカデミアナッツ油と一言で言っても、生産地、収穫季節により脂肪酸組成は変わるようです。
・オレイン酸・・・約50~60%
・パルミトレイン酸・・・約20%
・パルミチン酸・・・約8%
・リノール酸・・・約3%
・α-リノレン酸・・・約1%以下
・その他・・・約10%
ひとつひとつ見て行きます。
オレイン酸が、約50~60%
特長的なのは、オレイン酸が多い。
オレイン酸は、18:1という脂肪酸です。
炭素の鎖長が18で、二重結合が1つ。
不飽和脂肪酸の中では、酸化安定性が高い脂肪酸です。
オリーブオイルはオレイン酸が70%以上含まれますから、それよりは少ないですが、同じ程度に多いと言えます。
個人差は大いにありますが、人の皮脂に含まれる脂肪酸の中のオレイン酸の比率は、45%~55%程度という説もあります。そういう意味では、オリーブオイルより皮脂に近いという言い方ができるかもしれません。
パルミトオレイン酸が、約20%
マカデミアナッツ油には、パルミトオレイン酸が含まれます。
これは、植物系油脂としては、極めて珍しいことです。
パルミトオレイン酸が多く含まれることが、最大のポイントです。
パルミトオレイン酸は「人の皮脂」と「馬油」にのみ多く含まれる特異的な成分です。
馬油は5~9%なので、肌の保護剤として重宝されている要因の一つです。
人の皮脂は5~7%程度と言われています。
パルミトオレイン酸は、16:1という脂肪酸です。
パルミトオレイン酸は、10代くらいの若い人の皮膚に多く含まれます。
加齢とともに減少していきます。
そういった意味で、皮膚の老化と関係があるとされます。
マカデミアンナッツ油の成分は産地や収穫時期によって大きく異なります。
とある地区のマカデミアンナッツ油はパルミトオレイン酸がほぼ0%(0.1以下)だったりするようです。アレイは、最低でも20%以上の原料を選んでいます。
リノール酸、α-リノレン酸が少ない。
そして、もう一つの特徴、リノール酸が少ない(約3%)。
α-リノレン酸も少ない。(約1%以下)
これも、非常に特徴的なポイントです。
酸化しやすい多価不飽和脂肪酸が少ないことで、酸化安定性に優れているということが言えます。
脂肪酸は、つい配合されている脂肪酸に目が行きますが、配合されている量が少ない脂肪酸にも注目する必要があることに気が付きました。
ちなみに、アレイの原料のマカデミアナッツ油のリノール酸とα-リノレン酸の比率は、椿油、オリーブオイルと比べても低いです。酸化安定性に関しては、椿油、オリーブオイルと比べても優れていることがわかります。
炭素鎖20以上の脂肪酸も複数含まれる
アレイの原料のマカデミアナッツ油には、保湿力の高い炭素鎖20以上の脂肪酸を複数種類、含んでいます。これらは、一般的にオリーブオイルなどにも含まれていないことが多いです。
どれも酸化安定性に優れ、微量でも肌の保湿に強く働きます。
研究者が吟味した原料を使用している
以上を見ていただいてご理解いただけると思います。
アレイの原料のマカデミアナッツ油は、洛歩の阿部社長が、その豊富な知識に基づき、吟味した原料を選んでいることがわかります。
阿部社長は、油脂化学の分野において、相当なレベルの研究者です。
ここまで「吟味した油脂」から石ケンを製造しているということが、アレイの特徴でもあります。
石鹸の原料としてのマカデミアナッツ油
マカデミアナッツオイルの脂肪酸組成は、「石鹸の原料として優れている」ということを考えてみたいと思います。
石鹸の原料として考えた時のマカデミアナッツの各脂肪酸を見てみましょう。
石鹸の原料としてのオレイン酸
人の皮脂にも多く含まれる脂肪酸なので、肌への刺激が少なく、肌馴染みもよいのが特徴です。
しっとり潤う。皮脂を取り過ぎない。
オリーブオイル石鹸を使うとわかりますが、泡立ちはそれほどよくないです。
不飽和脂肪酸ですから、溶けやすいし、溶け崩れしやすい。
洗浄力はあります。
一価不飽和脂肪酸なので、酸化安定性は高いです。
オリーブオイル石鹸は、使用感が良いことが知られています。
オレイン酸の比率が同じように高いということは、オリーブオイル石鹸と同じように使用感の良い石鹸になることが想像できると思います。
石鹸の原料としてのパルミトオレイン酸
泡立ちは良いとされます。
泡の持続性もよい。
泡をきめ細やかにします。
洗浄力はあります。
洗い心地が良いとされます。
脂を落としすぎません。
一価不飽和脂肪酸なので酸化安定は高いです。
これらを見ると、石鹸の原料として、とても適しているように思えます。
実際そのように考える技術者の方は多いようです。
アレイの原料のマカデミアナッツ油には、20%以上のパルミトオレイン酸が含まれます。
石鹸の原料としてのパルミチン酸
飽和脂肪酸である、パルミチン酸が8%程度含まれています。
皮脂の中に多く含まれる脂肪酸です。
洗浄後のツッパリ感やかさつき感は穏やかとされます。
洗浄力は弱いです。
泡立ちは良くないですが、泡の持続性は安定しています。
飽和脂肪酸ですから、硬い石鹸を作ります。
二重結合がないため、酸化安定性は極めて高いです。
多価不飽和脂肪酸が少ない
リノール酸、α-リノレン酸など、酸化しやすい多価不飽和脂肪酸は、極めて少ないです。
ここもポイント。
一般的に、石鹸としてはあまり適していないとされる脂肪酸です。
マカデミアナッツ油は、石鹸の原料として優れている
以上、マカデミアナッツオイルの脂肪酸組成は、石鹸の原料としては、とても優れていると考えられます。
使用感の良いオレイン酸、パルミトオレイン酸が豊富。
泡立ち、洗浄力、洗い心地など良い方向にバランスがとれています。
そして、酸化安定性の高い脂肪酸がほとんどです。
酸化安定性が低い多価不飽和脂肪酸が極めて少ない。
水酸化カリウムを見てみる
では、次に水酸化カリウムに目を向けます。
カリ石鹸
一般的な石鹸は、水酸化ナトリウムで鹸化した石鹸、固形石鹸が多いです。
水酸化カリウムで鹸化した石鹸を「カリ石鹸」といいます。
4500年前から石鹸の原型として発祥した泡切れが良く肌に優しいカリウム石鹸です。
吸湿性のため柔らかい軟石鹸とか、液体石鹸となります。
医薬品グレードの水酸化カリウム
カリ石けんは、最も肌に優しい石けん(洗浄剤)と考えられています。
旧日本薬局方において、肌、患部、皮膚疾患患部、手術前の手術部洗浄、医師及び看護師の手などの洗浄が唯一認められている石けんが「カリ石けん(カリウム石けん)」です。
「純粋な石ケン成分のみ」で医薬品認可が可能な唯一の石ケンという表現のほうがわかりやすいかもしれません。
アレイは、鹸化の為に必要な水酸化カリウムも、化粧品グレードより更に高品質な医薬品グレードを使用しています。
選択洗浄性
カリ石鹸は、洗顔料に使用されることが多いです。
洗顔石鹸は、皮脂や汚れを落とすことが目的になりますが、落とし過ぎはお肌にとって良いことではありません。
例えば、皮脂は落としても、細胞間脂質はできるだけ落とさない。
過度な脱脂を避ける必要があります。
これを選択洗浄性と言います。
洗顔後、肌のつっぱりが少ない。しっとり感がある場合、この選択洗浄性が機能している可能性があります。特にカリ石鹸では、この選択洗浄性が機能する可能性があります。メカニズムはわかりません。
コールドプレス
アレイは、コールドプレスと言う製法を採用しています。
外部から熱を加えずに室温で製造しているため、マカデミアナッツ油の本来の特長を守ったまま作れるのが特徴。
オレイン酸、パルミトオレイン酸などの脂肪酸の特長を最大限活かすことができます。
ただし、コールドプレスは、熱を加える通常の鹸化と比べて、非常に手間と時間が必要です。
しかも、カリ石けんは反応性が低いので「コールドプロセス」で作ることは難しいとされます。
マカデミアナッツ油、カリ石鹸、コールドプレスでつくられている石鹸は、おそらくアレイ以外には見つけにくいかもしれません。
アレイまとめ
優れた研究者による吟味された原料
アレイの原料であるマカデミアナッツ油は、油脂化学の優れた専門家である洛歩の阿部社長が厳選した原料を使用しています。
脂肪酸組成を吟味して選んでいます。
アレルギーの原因となるたんぱく質やミネラル成分を取り除いています。
そしてオーガニックである事を重要視しました。
石鹸の原料として優れているマカデミアナッツ油
マカデミアナッツオイルの脂肪酸組成は、石鹸の原料としては、とても優れていると考えられます。
使用感の良いオレイン酸、パルミトオレイン酸が豊富。
泡立ち、洗浄力、洗い心地など良い方向にバランスがとれています。
そして、酸化安定性の高い脂肪酸がほとんどです。
酸化安定性が低い多価不飽和脂肪酸が極めて少ない。
洗い流したとしても石鹸の成分は残る
石けんは、洗い流したとしても、成分がすべて洗い流れされるとは限りません。
香料をイメージするとわかりやすいですが、石鹸を使用した後に匂いが残るのは、成分が一部残ることの証明です。
残るのであれば、もともと人の皮脂に存在し、なおかつ有益な脂肪酸が残った方が良いはずです。
その意味で皮脂の重要な成分であるオレイン酸、パルミトオレイン酸が多く含まれるというのは極めて意味のある事だと思われます。
肌を元の状態に戻してあげる
特に顔の肌は、常に露出している過酷な環境の中で、日々ダメージが蓄積して行きます。
日々のダメージを無くすためには、この2工程が大切です。
1、肌を痛めない洗顔で、肌を痛めている物(酸化した皮脂、汚れ等)を取り除く
2、(取り除いた後の)高い保湿
allay「洗顔石鹸」は、この1番の肌を痛めない洗顔を実現する石鹸です。
その後、フェイスオイルで保湿をしてください。
洗顔カリ石鹸 alley アレイ 商品詳細
■名称:alleyスキンケアソープ
■成分:マカデミアナッツ油、水、水酸化K
■容量:40g
■ご使用方法:適量を手に取り、水またはぬるま湯をなじませてください。
■使用上の注意:
●お肌に異常が生じていないかよく注意して使用してください。
●お肌に合わない時はご使用をおやめください。
●幼児の手の届く場所、高温または低温や直射日光の当たる場所には保管しないでください。
■発売元:株式会社洛歩
■生産国:日本
■価格:2,200円(本体2000円+消費税200円)