菊芋 ( きくいも キクイモ )|解説・商品紹介
菊芋(きくいも キクイモ)とは
こだわり商品研究所では、発酵性食物繊維「イヌリン」が豊富な食品として菊芋(きくいも キクイモ)を紹介しています。菊芋がどんな野菜なのかを説明します。
イヌリンが豊富
菊芋(きくいも キクイモ)が注目されています。
菊芋を理解するためのキーワードを最初にご紹介します。
腸内細菌・腸内環境
イヌリン
発酵性食物繊維
天然のインスリン
生命力が旺盛
世界三大健康野菜
世界3大健康野菜
世界三大健康野菜とは何かご存知ですか?
ヤーコン、菊芋(きくいも キクイモ)、アピオスの3種類です。
「世界3大健康野菜」というのは、誰が言いだしたのか?
どうしてこれが世界3大健康野菜なのか?
わからないのですが、こう言われることがある、ということだけご記憶ください。
菊芋とは
菊芋は、北アメリカ原産 キク科ヒマワリ属の多年草。
世界中に外来種として分布しています。
塊茎を食用します。
一般的に「白い菊芋」「紫の菊芋」があります。
紫菊芋は、赤菊芋と呼ばれることもあります。
秋(9月中旬~10月上旬)に菊に似た黄色の花が咲きます。
日本には江戸末期にもたらされました。
長野県生まれの博物学者 田中義男が菊芋(きくいも)と命名。
「花は菊のようで、根は芋のよう」
別名:エルサレムアーティチョーク、トピナンブール。
菊芋(きくいも キクイモ)植物特性
草丈2.5~4mで、生命力・繁殖力が極めて旺盛です。
生で食べるとレンコンのようなシャキシャキ感が特徴。
カロリーは100g当たり35kcalで、ジャガイモ(76kcal)の半分以下、さつまいも(132kcal)の1/4程度。
荒地でも生育しますが、腐食に富んだ肥沃な土地が適しています。
病害虫は発生しません。
無農薬で栽培することも可能です。
日本には江戸末期から明治時代に伝わり、戦後の食糧難の時にはよく食べられていました。
牛馬のエサとしても利用されていました。
生育旺盛で類まれな繁殖力から、栽培経験者からは「一度植えると絶やすのに苦労する」という意見もあります。
菊芋を栽培している地域
菊芋を栽培している地域が増えてきました。
菊芋はその栄養成分・生命力の強さから、「健康づくり」「無農薬栽培」という利点を持つ野菜です。
そのため「街おこし」「健康づくり」「耕作放棄地対策」「高齢者支援」「生きがいづくり」などのテーマで、自治体とともに取り組んでいる商品も多いような気がします。
菊芋の栄養素
●特徴は多糖類イヌリンという水溶性食物繊維が豊富に含まれていること。
生の菊芋には、13-20%のイヌリンが含まれます。
菊芋粉末に、40~50%のイヌリンが含まれます。
●通常の芋類と異なり、デンプン量は少ない
●カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、マンガン、銅、亜鉛などのミネラルを含有
●βカロテン、サイアミン(B1)、リボフラビン(B2)、アスコルビン酸(C)、ビオチン(H)、ナイアシン(ニコチン酸)などのビタミン
●イヌラーゼ、プロティナーゼ、インベルターゼ、ホスホリラーゼ、フェノラーゼなどの酵素
●コリン、ベタインなどの必須アミノ酸
●サポニンなどのポリフェノール
イヌリン:水溶性食物繊維・発酵性食物繊維
菊芋やゴボウなどの根や茎にある植物性貯蔵多糖で、主に末端グルコース(ブドウ糖)を持つ30数個のフルクトース(果糖)が結合した直鎖状の構造をしている。
末端のブドウ糖は吸収されるものの、それ以外の糖分はヒトの消化酵素では殆ど分解されない。
菊芋は、世界中の植物の中でイヌリンの含有率がもっとも多い野菜のひとつ。
胃や小腸では殆ど分解されない難消化性・水溶性食物繊維。
胃腸の中に長時間とどまり、血糖値を上げる原因のブドウ糖に変化しない。
イヌラーゼがイヌリンを分解し、腸内でフルクトオリゴ糖になり、このオリゴ糖が大腸到着後に善玉菌であるビフィズス菌などの栄養素として利用され短鎖脂肪酸を産生させる。発酵性食物繊維。
菊芋の機能性ポイント
菊芋が健康に良いとされるポイントをまとめてみます。
水溶性食物繊維としてのイヌリンの働き
菊芋に多く含まれるイヌリンは水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維には以下のような働きがあります。
主に大腸までの働きとなります。
●糖質の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑える。
●インスリンの分泌を促進する。
●中性脂肪の蓄積を抑制する。
発酵性食物繊維としてのイヌリンの働き
イヌリンは水溶性食物繊維と書きましたが、つまり発酵性食物繊維でもあります。
発酵性食物繊維としての働きは、主に大腸を起点とした働きとなります。
●発酵性食物繊維として、腸内細菌の栄養となり、短鎖脂肪酸を産生する。
●短鎖脂肪酸があらゆる働きをする。
●インスリンの分泌を促進する。
●中性脂肪の蓄積を抑制する。
●コレステロール値を下げる。
世界3大健康野菜としての菊芋の栄養素
菊芋は世界3大健康野菜と言われることがあります。
●生命力が豊かで栄養素が豊富。
●菊芋を育てた場所は雑草も生えなくなるほど、土地の栄養素を吸い上げるようです。
●過去、ヨーロッパや日本での食料難の際に、菊芋は貴重な栄養源となったことがあるようです。
なぜ菊芋を食生活に摂り入れるのか
このページでは、菊芋についての説明をしました。
最後に、菊芋を選ぶ理由をまとめてみたいと思います。
「菊芋はイヌリンが豊富」「菊芋は栄養が豊富」「食べるインスリンと呼ばれている」とこのページでも説明をしました。しかし、「なんとなく菊芋って健康に良さそう」と考えて選んでもらいたい、ということではなく、以下のような考え方で食べていただきたいと考えています。
▶人と共に身体の恒常性を保っている腸内細菌に元気に活動してもらい、腸内環境を整え、ひいては身体全体を整えるためには、腸内細菌の栄養となる発酵性食物繊維が必須。
▶腸内細菌の種類の多さを考えた時に、できるだけ多くの種類の発酵性食物繊維を食べた方が良い。
菊芋に豊富に含まれているイヌリンは、代表的な発酵性食物繊維のひとつ。
▶イヌリンは、水溶性食物繊維でもあるため、大腸に移動するまでに、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、様々な働きをする。
▶さらには、世界3大健康野菜とも呼ばれるような栄養の豊富さもある。
▶菊芋は粉状だったり、毎日の食習慣にしやすい食べやすさの工夫もされている商品が多い。