大麦は「栄養価が高いから選ぶ」という「考え方」について感じた違和感
ヤフーニュースで、こんな記事を見かけました。
いつも外食先で白米ではなく「麦ごはん」を選ぶ妻。白米より価格が高いですが、本当に「健康によい」のでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9f6967243943fc7abccc99b91220609fe06e19c
読んでみると、なかなか興味深い内容が含まれています。
「日本人は昔から大麦を食べてきた」という部分は、日本人の腸内環境を理解するのに参考になる意見です。
この記事で、ちょっと「思うところ」がありまして、それに触れてみたいと思います。
この「思うところ」は、この記事に限ったことではなく、いつも感じていたことでもあります。
「大麦」は白米や玄米と比べて「栄養価が高い」から食べる、に対する違和感
それは「大麦」は白米や玄米などと比べて「栄養価が高い」「健康に良い」という理由で選択するということに違和感を感じるのです。
「栄養価が高く」「健康に良い」のは、間違いありません。
ただ、どうもしっくりこないのです。
整理して考えていましたら、その理由がわかりました。
大麦を食べるのは腸内細菌のため
大麦を食べる理由は、「腸内細菌のため」と考えます。
腸内細菌は人と協同して、人の身体の恒常性を保っています。
腸内細菌無くして、人の身体の恒常性は保てません。
腸内環境ですべてが説明できる、という研究者がいます。
性格さえも腸内環境で説明できる。
それほど重要なのが腸内環境です。
つまり腸内細菌の集合体です。
腸内細菌の栄養は発酵性食物繊維
腸内細菌は、生き物ですから栄養が必要です。
その栄養として欠かせないのが発酵性食物繊維。
発酵性食物繊維を多く含む食品の筆頭が大麦です。
しかも、日本人は、大麦を昔から食べていますから、大腸に大麦の発酵性食物繊維を好む腸内細菌が存在しています。だから、大麦は日本人の腸内環境に適している。
「栄養の摂取」2つの考え方
栄養の摂取は、2つの考え方があって、「自分の身体のために摂る栄養」。
もうひとつが、「腸内細菌のために摂る栄養」です。
大麦は「腸内細菌のために摂る栄養」の比重が高い、のではないかと考えます。
大麦は「栄養価が高い」「健康に良い」というのは、「自分の身体のために摂る栄養」を前提にした表現のように思えます。おそらくそれで、しっくりこないということがわかりました。
大麦は、腸内細菌のために食べる。
大麦を食べることでの健康面の改善は「結果」
この記事の中に、「コレステロールが高い」「内臓脂肪が多い」人は大麦を食べれば・・・という文章があります。
大麦を腸内細菌のために食べることで、その結果、短鎖脂肪酸が産生され、結果的に、コレステロールであったり、内臓脂肪であったり、に影響を与えるかもしれません。
「コレステロールが高い」「内臓脂肪が多い」・・・その改善を目的として食べるものではなく、あくまで「結果」としてついてくるだけです。
大麦を食べ続けると、おそらくもっといろいろな素晴らしい「結果」が付いてくると思います。
「腸内細菌のための栄養」だから毎日食べる。食べ続ける。
「腸内細菌のための栄養」という考え方をすると、毎日食べる必要があります。
何日に1回食べれば良いというものではありません。
今日は玄米、明日は大麦、という食べ方ではなく、玄米にも大麦を混ぜて食べて欲しい。
毎日食べる必要があるのが大麦です。
大麦は、いくつかの「有用な穀物」の選択肢のひとつではなく、「必須の穀物」と考えると違和感がなくなります。
しかも、しばらく食べればいい食品でもなく、食べ続けるものです。
腸内細菌との共存が続く限り。
※ちなみに、大麦、もち麦は同じものと考えて結構です。
この記事の参考資料・・・
大麦の機能性と活用・利用拡大について
(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)