【 皮脂を補うスキンケア 】美容オイル(トリグリセリド)
◆足りなくなった皮脂を補う
「足りなくなった皮脂を補う」ことが「スキンケアの基本(のひとつ)」と考え、「皮脂にある成分」を補ってあげる。このテーマを考えています。
今回は、「美容オイル(トリグリセリド)」について取り上げます。
美容オイル(トリグリセリドタイプ)
トリグリセリドタイプの美容オイル
トリグリセリドタイプの美容オイルとは、いわゆる一般的な美容オイルのことを指しています。
オリーブオイル、アルガンオイル、また、いろいろなオイルを組み合わせた美容オイルの事です。
これらは、脂肪酸が3つとグリセロールが合わさったトリグリセリドという中性脂肪で構成されます。
トリグリセリドは、皮膚常在菌に分解されて、遊離脂肪酸とグリセリンになります。
トリグリセリドは、皮膚常在菌に分解されて、遊離脂肪酸とグリセリンになります。
トリグリセリドは中性ですが、遊離脂肪酸は弱酸性となります。
皮膚が弱酸性なのは、遊離脂肪酸が理由です。
また、グリセリンはご存知の通り、保湿物質です。
トリグリセリドは、皮脂にとってなくてはならない物質です。
皮脂の中の脂肪酸の割合
皮脂の中には、約35~40%程度のトリグリセリドと、約13~17%程度の遊離脂肪酸が含まれます。
遊離脂肪酸は、トリグリセリドが分解されてできますので、由来は同じです。
合計すると、48~57%程度のトリグリセリド由来の成分が含まれますので、皮脂の主原料と言っても良いと思います。
では、この脂肪酸組成はどのようになっているかということで、遊離脂肪酸の脂肪酸の割合を見てみますと、以下のような割合になります。
パルミチン酸・・・約 27%
ステアリン酸・・・約 16%
ミリスチン酸・・・約 2%
オレイン酸 ・・・約 22%
パルミトオレイン酸・・・約 8%
リノール酸 ・・・約 13%
その他 ・・・約 12%
では、この皮脂の脂肪酸組成を頭に入れつつ、いろいろなトリグリセリドタイプの美容オイルの脂肪酸組成を見てみましょう。
美容オイルの脂肪酸組成
人の皮脂の脂肪酸の組成を頭に入れて、一般的な美容オイルの脂肪酸組成を見てください。
人の皮脂の組成に近い構成になる美容オイルを選ぶ、組み合わせることで、「皮脂を補うスキンケア」になるはずです。
オリーブオイル
オレイン酸・・・75%
パルミチン酸・・・12%
リノール酸・・・9%
他
椿油
オレイン酸・・・85%
パルミチン酸・・・8%
リノール酸・・・4%
他
ココナッツオイル
ラウリン酸・・・48%
ミリスチン酸・・・19%
カプリル酸・・・8%
カプリン酸・・・6%
他
マカダミアナッツオイル
オレイン酸・・・58%
パルミトレイン酸・・・22%
パルミチン酸・・・8%
他
アルガンオイル
オレイン酸・・・47%
リノール酸・・・32%
パルミチン酸・・・13%
他
シアバター
オレイン酸・・・47%
ステアリン酸・・・41%
リノール酸・・・6%
他
●トリグリセリドは、皮脂の主成分
●トリグリセリドを皮膚常在菌が分解して、遊離脂肪酸とグリセリンになる。
●結果、弱酸性と保湿になる。
●トリグリセリドタイプの美容オイルを選ぶ、組み合わせて、皮脂を補う。
※参考文献、情報収集
この記事は、以下の会や、本などで情報収集、勉強したことを参考に書きました。
Natural Life & Beauty Academy
一般社団法人日本リポニュートリション協会
日本脂質栄養学会
脂質栄養学(菅野道廣 著:幸書房)
化粧品成分検定公式テキスト(一般社団法人化粧品成分検定協会編:実業之日本社)
化粧品成分ガイド(宇山侊男 著、岡部美代治 著、久光一誠著:フレグランスジャーナル社)
皮膚はすごい(傳田光洋著:岩波書店)
こだわり商品研究所でご紹介している椿油
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